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マイケル・ジャクソン追悼
ひとつの時代が終わった。

彼は死んでしまったけど、彼の遺した功績はずっと不変で。
彼は次の世代にもその次の世代にも語り継がれ、生き続けるのだろう。

ただ、マイケルの、その貴重な半生の大部分を、あまりにくだらない面倒事に費やさなければならなかった事が本当に残念でならない。あんなつまらないことで、どれだけ多くのものを失うこととなったのだろうか。計り知れない。

マイケル・ジャクソン裁判などはその最たるもので、彼は明らかに無実であるのにもかかわらず、馬鹿馬鹿しい裁判は長期に渡って続いてしまった。無罪判決が出た事にホッとしてしまう事自体おかしいというぐらいに「明らかな無罪」だった、のにだ。当時、多くの裁判スクリプトを読んだが、矛盾する証言、存在しない証拠、でたらめな事ばかりで、金銭目的の裁判であった事は明らかだった。時間のある人は探してみて欲しい。

確かに彼は純粋すぎた、無防備すぎたのかもしれない。私利私欲にまみれた人間を見抜けなかった。
でもたったそれだけで、これはあんまりじゃないか。
純粋な奉仕精神から「あの子を助けてあげたい」と思い、子供の病気が治った、と思いきや自宅に招いて手厚くもてなしたその家族に裏切られて。「児童虐待」などというとんでもない汚名を着せられて。最も純粋な部分に泥を塗られた、マイケルのショックはどれほどのものだったのだろう。

それでも彼は「あの子は悪くない、周りの大人に言わされているだけだ」と言うのだろう。
マイケルってそういう人だ。
にわかが何言ってんだ、とか言われそうだけど。彼の人柄は全てのインタビューに、文章に、映像に滲み出ているから、そういうモノを見てれば嫌でも分かる。

昔から、言ってる事、全然変わらないんだよ。J5でデビューした11歳の時から50歳で死ぬまで、ずっと信念とか、軸の部分が変わらなくてさ。影ですごい努力する所だって、他人にやさしい所だって、シャイな所だって、お茶目でいたずら好きな所だって。お小遣いを友達のために使い果たしていた子供の時から、結局最期まで変わっていなかった。私が好きなのはこういう部分だったんだよ。変人だから興味本位で構ってた訳じゃない。音楽もダンスも好きだけどそれだけじゃない。滲み出てくる人間性に、並々ならぬ魅力があったからなんだよ。年を取って、全く声が出なくなったって、ダンスが踊れなくなったって。彼が彼でありさえすれば、私にはそれで十分だった。

・・・いずれこういう時が来るのは分かっていたはずなのに、なんとなくマイケル・ジャクソンはずっと死なないような気がしていた。だって、あらゆるものを超越した人だったから。20代の時には、既に人種も、性別も、年代も、宗教ですら超えていた。既成概念なんて彼の作品の前ではもはや意味を成さなかった。あんまり神格化するような事を言うのはいかんと思うけど、彼の場合本当に成し遂げてしまったんだからしょうがない。

「神に愛された人は夭折する」とはよく言ったものだ。神に愛された人というものが居るとすれば、間違いなくマイケルはその1人であったのだと思う。紛れも無い天性のアーティストで、生粋のエンターテイナーで・・・そしてとびっきりの人道主義者だった。人間愛と平等のために、平和のために生きた人だった。

実感はやはり全く湧かない。非現実感に襲われながら、世界にとっても、私個人にとっても・・
・・ひとつの時代が終わった、と。今はただそう感じるのみだ。
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